経済産業省は6日、洋上風力発電の導入拡大に向けた新たなロードマップを発表した。2030年までに国内洋上風力の総設備容量を1000万kW(10GW)に引き上げる目標を掲げ、地域経済活性化と脱炭素化の両立を目指す。
新ロードマップでは、秋田県沖、長崎県沖、北海道石狩湾沖など複数の海域で大規模洋上風力発電所の建設を加速。国内サプライチェーンの強化策として、風車の部品製造や保守点検サービスを担う地元企業への支援も盛り込まれた。また、漁業関係者との共存を図るため、漁場への影響調査や補償制度の拡充も明記されている。
同省の担当者は「洋上風力は再生可能エネルギーの主力電源として期待されている。地域の理解と協力を得ながら、国際競争力のある産業として育成していく」と述べた。日本風力発電協会によると、2024年末時点での国内洋上風力の設備容量は約100万kWにとどまっており、今後5年間で10倍の拡大が求められる。
専門家は、技術開発の遅れや建設コストの高さが課題だと指摘する一方で、政府の強力な後押しにより、地域雇用創出と温室効果ガス削減が同時に実現できると期待を寄せている。